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大和ハウス工業(1925):2,000億円のユーロ円CBを発行/800億円は自己株式取得に充当する(リキャップCB)

株式会社DMM.com証券

ユーロ円CBの発行概要

  • 発行総額は2,000億円。内、800億円は自己株式取得資金に充当(明日にToSTNeT3により取得)
  • 年限は5年、6年の二本建。ゼロ・クーポン
  • 転換価額は5年債が5,353円(アップ率:15%)、6年債が5,260円(アップ率:13%)
  • 潜在株式数は3,769万株(対発行済の5.7%に相当)
  • ただし、800億円(1,718万株)の自己株式を取得した場合、ネットした潜在株式は2,051万株(潜在株式の3.1%)となるため、希薄化の規模は限定的といえる
  • 加えて以下2点の付帯条項が付されており、希薄化抑制型のCBとなっている
    • 転換制限条項:期中は、株価が転換価額を150%(満期の1年前まで。満期1年前から3ヶ月前までは130%)を上回らない限り原則転換できな設定
    • 現金決済条項:満期時にCBが残存している場合、社債額面相当の金銭を転換株式に変えて決済することが可能(例:株価水準が転換価額の130%の場合、100は現金で、30は株式を交付する。現金償還と引き換えに希薄化株式数を削減するオプション)
  • 自己株式は、明朝にToSTNeT3により取得する
    • 最大800億円、17,185,800株を予定
    • 5,003,700株(233億円)については、株主が応募する予定。よって、CBヘッジファンドのヘッジ売りの受け皿は差額の12,182,100株(567億円)を想定している
      • 1,218万株は、CB全体の潜在株3,769万株の32%に相当する(ヘッジ売りを吸収するには十分な株数と推察される)
      • 応募が800億円に満たない場合は、市場買付けにより取得する予定
    • ToSTNeT3の買付の結果:800億円全額を取得
  • 差額の1,200億円については、不動産の開発投資資金に充当予定
  • 発行要項の詳細は以下の通り

CB発行の背景

  • 当社は2022年5月に第7次中期経営計画を公表している。2023/3期から2027/3期の5ヵ年計画となっている
  • その際に、キャピタルアロケーションと株主還元の方針を定量的に開示している
  • 具体的には5ヵ年で4,200億円の財務CF(資金調達)を計画していた。今回CBにより1,200億円の資金を確保した格好だ
  • 因みに2022年5月の公表時点では、CBでの調達を想定していなかったかもしれない
  • 足元の金融市場環境(日銀の政策変更に伴い金利の先高感が台頭)が変化するなかで、調達の多様化を図りつつ、ゼロコストでまとまった資金を調達できるCBが選択肢として浮上したと推察される
  • 結果的には最高のタイミングで起債できたといえるだろう。本日の終値4,655円は上場来高値だ

サンリオのリキャップCBとの相違点は?

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