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IPO,PO関係

ベース(4481):国内売出しを実施(富士通が政策保有株を売却)

株式会社DMM.com証券

案件概要

  • 売出株式数:1,536,100株(オーバーアロットメントによる売出しを含む)
  • 対発行済株式数:8.4%、出来高:約70日分に相当、規模:68億円(11/14終値4,450円基準)
  • 売出人:富士通・社長(社長は100株のみ拠出)
  • 条件決定日:非公表、受渡期日:条件決定日の5営業日後
    • 後日、条件決定日が非公表なのは記載漏れで、11/27-29の間に決定する旨の訂正プレスリリースが開示された

11/27に条件決定

  • 売出価格:3,298円(ディスカウント率:3%)
  • 引受価額:3,162円(引受手数料率:4%)
  • 公表から条件決定日まで株価は、23.6%下落(同期間TOPIXは1.6%上昇)
  • 受渡期日:12/4(月)
  • 決算発表と同時に売出しを公表したため、売出の需給インパクトを超える株価下落となった可能性がある

条件決定日を非公表にするのは珍しい

  • 一般的に売出しを実施する場合、条件決定期間を設けて開示する。そのうえで、ほぼ100%条件決定期間の初日にプライシングされる
  • 条件決定日を非公表とすることで、空売りなどの投機的な売買を牽制することが期待できる
  • 一方、売出しに参加する投資家はいつ条件決定されるのかわからないため、混乱する可能性もある
  • 今回は、みずほ証券の単独引受であるため、営業員が阿吽の呼吸で投資家と会話しているのかもしれない。ただ、シ団を招聘した場合、投資判断の重要な要素である条件決定日が事前にわからなければ現場が混乱する恐れもある
  • 従って今後、同様のやり方が普及するかは疑問である

条件決定日は11/27-29と想定される(11/27が最有力)

  • 条件決定日は非公表であるが、以下の点を考慮すると条件決定日は11/27-29と予想される。最短は11/27と推察できる
    1. 売出時のリテール・マーケティングには、最低でも3-5営業日かける
    2. 条件決定日の翌日から2営業日は申込期間となるが、通常申込期間は土日を挟まないようにする。そのため、条件決定日は、月曜から水曜のどこかとするのが通例。本件の場合、11/23(木)が祭日となるため、来週の条件決定候補日は事実上11/20(月)のみとなる(11/20の次の条件決定候補日は11/27となる)
    3. 今回の売出しにかかるグリーンシューオプションの行使期限は12/27と開示されている。当該行使期限は、申込期日の翌日から起算して30日以内に設定する必要がある(日本証券業協会が設定している自主ルール)。従って、11/20の条件決定、11/21-22の申込期間の日程の場合、グリーンシューオプションの行使期限はもっと早く設定する必要がある

社長が売出人として100株売却する理由:法的に必要なため

  • 今回の売出しの目的は、富士通が保有する政策保有株式の売却だ
  • 富士通は当社の株式の8.3%を保有している大株主だが10%未満の保有のため、主要株主には該当しない
  • 法的におかしな枠組みだが、金商法上の売出しの定義において売出人になれるのは、主要株主・会社関係者・銀行等の登録金融機関・設立発起人に限定されている。つまり、富士通は主要株主ではなく上記のいずれにも該当しないため、売出人にはなれない
  • これまた、おかしな法的な解釈だが、だれか一人でも売出人の要件を満たす株主が売出人として参加すれば、要件を満たさない株主も売出人として売出しに参加できることになっている
  • 従って、今回のケースでは富士通単独では金商法上の売出要件を満たさないため、会社関係者である社長が100株だけ拠出して売出人として参加したと考えられる

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