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平和堂(8276):金融機関の政策保有株を売出し・同時に自己株式の取得を公表

株式会社DMM.com証券

2/28に条件決定

  • 売出価格:2,002円(ディスカウント率:3%)
  • 引受価額:1,919.44円(引受手数料率:4%)
  • 公表から条件決定まで株価は、6%下落(TOPIXは、1.3%上昇)

売出しの隠れたポイント:滋賀銀行は売出しに参加せず

  • 従前より、金融機関複数社から売却の打診を受けていたと思われる。各行がバラバラと売り始めると収拾がつかなくなるので、発行会社が主体となって売出しを実施。同じタイミングで同じ条件で平等に売ってもらうということだろう
  • ロックアップに売出人が対象となっていないことから、おそらく売出人となる金融機関は保有する全ての株式を売却すると思われる
  • ポイントは、滋賀銀行の対応だ。売出人として今回の売出しに参加していない。ロックアップに賛同しているということは、事前に売出しが実施されることを認識したうえであえて売却しなかったということになる
    • 滋賀県を代表する企業の一つである平和堂。滋賀銀行としては、平和堂に対するコミットメントを示したともいえる
    • 意外と京都・滋賀エリアで滋賀銀行が株主の上場企業からは、「滋賀銀行さん、株を売らないのか。頼もしいね!」と評価を上げている可能性がある(勝手な想像だが、ライバルの京都銀行も保有株をなかなか売らないことで有名だ。安易に売出しに参加すると色々な憶測を呼ぶのでビジネスに影響がでるのかもしれない。その点も含めた総合判断で売却しなかった可能性もある)

配当権利落ち日に売出しを公表した背景の考察(地震の影響?)

  • 平和堂の決算期は2/20だ。売出決議日の2/19は、期末配当権利落日に該当する。一般的に決算期末を跨いでPOを実施するのは非常にレアケースだ。あくまで筆者の想像だが、以下の可能性が想定される
当初は、「1月公表・2/20期末までに受渡完了」の日程で検討していが、地震の影響で日程を変更?
  • おそらく2/20の期末までに売出しを完了する日程で準備していたが、何らかの理由で日程が後ろにずれた結果、2/19の公表になった可能性が考えられる
    • 今回、売出決議と同時に業績の下方修正を実施している。主な修正要因は能登半島沖地震の業績への影響だ
    • 年初に地震発生→業績への影響を精査する必要が生じる→業績への影響を把握→業績修正・売出決議
    • 地震の影響があったと考えるのが自然だ
  • 加えて、今回2/20末株主に対して、株主優待の拡充を公表している。従来は500株未満までは1,000円相当の優待券となっている(500株以上は5,000円)。今回、細かく刻んで、300-500株保有株主への優待3,000円を新設する制度に変更した
  • 当初は、売出しに参加する投資家へのインセンティブとして優待を活用することを想定していたのではないだろうか?売出しがなければもっと早く公表していたはずだ(権利落日に公表しても意味がない。。)
  • また、当社株式は2月・8月の優待権利取りのタイミングで出来高が増える典型的な個人に人気の優待銘柄だ。売出しは受給悪化要因となるため、その影響を極小化するためには優待のタイミングに合わせて売出しを実施した方が、株価インパクトを抑えられたはずだ
このタイミングを逃したら、4月以降のローンチとなる
  • 上述の要因で売出しを延期する場合、次のウィンドウを選択するということも可能だった
  • その場合、当社の決算発表は4/2であるため、4月以降の売出公表が繰り下げウィンドウとなる
  • その場合、以下2点の問題点(デメリット)がある
    • 売出人は3月決算企業。できれば期末までに売却したいという意向があった?(ただ、理由が災害のため、売出人がこの日程に固執したとは考えにくいが)
    • 本決算が発表されるため、売出しのドキュメンテーションが変わってしまう(元々第3四半期決算発表後のウィンドウを想定したドキュメンテーションで準備していた)
  • 地震の影響を踏まえ、どうするか関係者で検討した結果、事前に業績への影響を売出前迄に開示できるのであれば(期跨ぎにはなるものの日程変こうしても同じドキュメンテーションが活用できるので)、2/19ローンチでいきましょう。という結論に至ったのでは?と推察

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