IPO,PO関係
ROXX(241A):IPO(東証グロース市場)の概要
今期業績予想・バリュエーション
- 今期の売上高は、前年比7割増収と高い成長を見込んでいる
- 一方、先行投資負担等により、今期予想当期利益は487百万円の赤字
- なお、3Q時点で営業利益511百万円の赤字に対し、通期の営業利益は450百万円であることから、4Qでは営業黒字化を見込んでいる
- 来期は黒字化する蓋然性が高いと判断できるタイミングでのIPOを選択したと考えられる
- PERで評価するためには、来期以降の業績予想モデルを作成する必要がある(=一般の個人投資家には評価が難しい)
- 将来的には営業利益率20%を確保することを目標としている
- 今期予想ベースのPSRは、x4.4と試算される
- 2024年5月にはウィルグループ宛に第三者割当増資を実施している。DCFを用いて発行価格を1,838円で増資している
- 同一決算期且つIPOに近接したタイミングでの増資のため、1,838円は投資家から意識される価格になる可能性あり(目論見書記載の想定公開価格は2,110円)
- 今回のIPOでは、アセットマネジメントOneが5億円を上限に配分を受ける予定だ。本投資家が支持する価格が条件決定に大きな影響を及ぼしそうだ
目論見書の概要
ノンデスクワーカーを対象とした人材紹介サービスの市場規模は(ホワイトカラーよりも)大きい(大きなTAMが存在)
- 人材紹介エージェントのメインマーケットは、ホワイトカラー、医療領域が主体だった。市場規模は3,510億円
- 高年収の人材紹介の方が収益が大きいため、主要プレイヤーは高年収の求人をターゲットにしている
- 当社は、ノンデスクワーカーをターゲットにおいたプラットフォーム(Zキャリア)を提供
- 市場規模は6,500億円と試算。実は、ホワイトカラー・医療領域の人材市場よりも市場規模は大きい
- ノンデスクワーカの労働者数は3,457万人。年間転職者数は209万人
- ノンデスクワーカー・未経験者の正社員採用需要は拡大する見込み
- 現状の当社累計登録者数は36万人、今期予想売上高は35億円であることから、伸び代は大きいと考えられる
多くの業種で非正規では担えない正規社員の人材不足が存在。未経験者でも正規社員として採用したい企業側のニーズは拡大している
- 先日IPOしたタイミーは、非正規雇用を対象にしたスキマバイトを提供するプラットフォームとして急成長
- 当社は、非正規→正規雇用の転職をターゲットにおいている
- タイミーは、物流・外食・小売業のアルバイト求人をターゲットにおいている
- 物流・タクシー業界におけるドライバー不足、専門性が必要な建築・IT分野、アルバイトを管理する店長など、正社員が担う業務の人材不足は深刻化しており、未経験でも採用したいという企業側のニーズは強い
Zキャリアサービスは、正社員希望の求職者、未経験人材を積極的に採用する求人企業をマッチングする転職プラットフォーム
- サービス提供開始以降の累計登録会員数は36万人、掲載求人数は約8.2万求人(2024年7月末時点)
- 主な登録者は、30歳以下、年収400万円未満、非正規雇用。Zキャリアを通じて非正規から正規雇用への転職を支援している
- Zキャリアは全国の小規模人材紹介会社とも連携。求人企業はZキャリアに求人掲載するだけで約400社の連携紹介会社からまとめてノンデスクワーカーの紹介を受けることが可能
- 求人企業からは成功報酬、パートナー人材紹介企業からはプラットフォーム利用料(リカーリング収入)を得るビジネスモデル
- また、求人企業に対してback checkサービス(リカーリング収入)を提供
- 犯罪歴などのコンプライアンスリスクがないかをオンライン完結でチェック可能
- リファレンスチェックでは、前職の上司・同僚などからの評価を参考にすることが可能。採用のミスマッチ低減に資するサービス
求人企業、求職者、人材紹介会社の全方位から支持されるプラットフォーム
求人企業から選ばれる理由
- 無料で約400社の人材紹介会社から紹介を受けることが可能、AI面接などを活用することで面接などのプロセス・負担を軽減
求職者から選ばれる理由
- 未経験でも正社員になれる求人が豊富、エージェント相談・AIスカウトでやりたいことがなくてもマッチする仕事が見つかる
人材紹介会社から選ばれる理由
- 取引のない求人企業にもアクセス可能、Zキャリアに蓄積されたデータを活用可能、人材紹介事業のノウハウ・コンサルを受けることが可能
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