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IPO,PO関係

jig.jp(5244):国内売出し(PO)を公表

株式会社DMM.com証券

本日、jig.jp(jig)が、国内売出しを公表。その概要について解説します

最大のポイントは、IPO時の有価証券届出書提出日(2022年11月17日)から1年を経過していない中でPOを実施している点

通常は、発行会社側のコスト等に鑑み1年経過後の日程(11月中旬のウィンドウ)を設定するところ、あえて前倒し日程を選択している。そこには、VC側が1日でも早く売却したい事情があったのかもしれない

案件概要

  • 売出株式数:16,312,500株、売出規模:77億円(8/23終値475円基準)
  • 対発行済株式数:38.8%、1日当平均出来高の3日分程度
  • 売出人:VC各社の全量エグジット
  • 条件決定日(最短):8/30(水)、受渡期日(最短):9/6(水)
  • 当社は、昨年12月にIPOを実施。23年6月19日にロックアップが明けていた。事実上IPO後、最速のウィンドウで売出しを実施
  • 一般的にIPOした銘柄が最初のPOを実施する場合は、IPO時の有価証券届出書提出日から1年間インターバルをおく傾向がある
  • なぜなら、IPO(有価証券届出書提出日)から1年間経過すると継続開示企業の要件を満たし、目論見書を簡易化できるからである(参照方式の目論見書を活用できる)。今回の売出しは、IPO時の有価証券届書提出日(22年11月17日)から1年を経過せずPOを実施するため、IPO時と同じ形式の目論見書を作成する必要がある。通常発行会社の負担を勘案し、売出の日程を11/20頃に設定するケースが多いが、あえて日程を前倒ししたということは、VC側が少しでも早く売りたいという強い意向があった可能性がある
    • なお、昨日売出しを公表したFPパートナーは、IPO時の有価証券届出書提出日が2022年8月18日。売出決議日は、2023年8月22日となっており、1年のインターバルを置いている。よって、目論見書も簡易化されている。一番オーソドックな最速日程だ
  • 当社、売出公表前の8/14に第1四半期決算を発表。決算内容を好感して株価は312円(8/14終値)から翌日 S高、2日後の終値は444円と42%も上昇していた
  • 株価が急騰している中で、VCが全量売出しでエグジットするというニュースが出てきた(しかも前述の通り異例の日程)ため、相当なサプライズとなりそうだ
  • なお、当社は売出の公表と同時に、配当を開始する旨を公表。通常株主還元政策は、決算発表時に公表することが多いが、今回は売出しと同時に公表している。売出しのネガティブインパクトを少しでも緩和したいという本音が垣間見える
  • 今回の売出における仮条件ディスカウントは3〜5%に設定されている。通常のプライム銘柄の売出案件と同等のディスカウントレンジに設定されている。当社は、IPOして間もない東証グロース銘柄でボラティリティも高い。本来よりワイドなディスカウントレンジに設定されていてもおかしくないが、VC側に配慮している可能性もある。明日以降の株価と株価変動率、それを踏まえて何%のディスカウント率で売出価格を決定するのか注目したい

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