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三井物産(8031):政策保有株式の売却を目的とした海外売出し(ABB)

株式会社DMM.com証券

  • 取引金融機関からの売却要請を受けて、海外売出しを実施する
  • 本件は、目論見書を作成しておらず、基本的にはオーバーナイトでプライシングする売出し形態(ABB:Accelerated Book Building)
    • ブロック・トレードと同等の効果=短期間にまとまった株数を売却したい場合に採用する方法
  • なお当社は、本年5月より9月20日迄、2,000億円を上限に自己株式の取得を実施中。6月24日迄に767億円を取得済
  • 7月以降、残りの自己株式の取得を継続すると想定されるため、短期的には受給悪化の影響があるものの、影響は限定的となりそうだ

6/25(オーバーナイトプライシング)に条件決定

  • 売出価格:7,136円(ディスカウント率:3.5%)
  • 引受価額:7025.07円(引受手数料率:1.5%)
  • 6/25の9時に条件決定リリース(ギリギリの開示となった)

(ご参考)自己株式の取得中に売出しを公表する行為はインサイダー取引に抵触?

  • 一般的に海外売出しは、未公表の重要事実(インサイダー情報)に該当すると考えられる。従って、当該情報を知りながら、自己株式の取得を実施することは、インサイダー規制に抵触するためNGだ
    • 通常は、売出しと自己株式の取得はいずれもインサイダー情報に該当するため、同時に公表する。また、売出期間中は自己株式の市場買付は不可のため、自己株式の取得は、売出しの受渡日以降に実施する(直近のニッコンHD大倉工業の事例が通常のやり方)
  • 本件は、事前に証券会社(または信託銀行)への一任勘定方式にて発注していたため、自己株式の取得発注の指示時点では、海外売出しは決まっていなかったのだろう。一任勘定方式且つ発注指示時点でインサイダー情報がなければ、情報は遮断されているため、事後的にインサイダー情報が発生しても、自己株式の買付けを継続しても問題はない(むしろ、インサイダー情報発生後に自己株式の取得を止めてしまう方が、恣意性が働き問題となる)
  • 自己株式の取得は5月からスタートしている(発注指示日は5月初旬?)。おそらく売出決議日(本日)の2-3週間前(6月初旬?)に株主から売却要請を受けて、急遽海外売出しの実施を意思決定したのだろう
  • 元々今週は四半期末にあたるため、自己株式の取得はできない期間だ(四半期末前の1週間は自己株式の取得を自粛する必要がある)。6月末であれば、自己株式取得停止期間であり、7月以降速やかに自社株買いが再開できる。日程的にも今週の売出し執行が(自己株式の取得日程にも影響を与えないため)最善と判断したと思われる

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