テスホールディングスのライツオファリング、ライツが上場してから3週間が経過しました
現時点で把握できていることを整理しております
ライツの行使進捗状況は41%、会社関係者は保有ライツの48%を行使
- 7/18時点のライツの行使株数は1,442万株(全ライツの41.0%)
- ほふり(証券保管振替機構)にて新規記録された株式総数は7/21時点で1,5159株(全ライツの37%)
- 経営陣の行使状況は下表の通り。1,990万株のうち963万株は行使済(行使率44%)
- 経営陣は、残りのライツ(1,000万株相当)について可能な限り行使する旨公表しているが、詳細はまだ把握できない
- 権利行使に際しては資金が必要となるため、1,000万株の一部は市場で売却することが想定される
- 7/21時点で市場売却したことが確認できるのは藤井取締役(及び資産管理会社)のみ
- 個人名義で保有する株式を24万株売却(売却期間は7/11から7/14)
- 大和証券との売買契約に基づき市場売却しているが、600円未満では売却しない契約であった
- 普通株に加え、保有するライツのうち17,600個を市場売却
- 今後の焦点は、経営陣の市場売却株式数(いつ、何株売ったのか)
- 今週の出来高急増局面で一定数の保有株を売却したのかどうかに注目したい
- 結果は大量保有報告書で確認できるが、5営業日後の事後報告となるため来週の大量保有報告は要注目
機関投資家の行使状況:保有ライツの一部を権利行使済
- 7/21に三井住友トラストAM、日興AMの大量保有報告書が公表された
- 6月末時点で両社合わせて147万株を保有していたが、ライツが加算され288万株に増加したたために大量保有報告を提出
- 三井住友トラストAMは、ほぼ全てのライツを行使したと考えられる
- 日興AMは、権利落前に76万株を売却し、7/14時点でライツを30万株を行使したものと思われる
- 日興AMは、引き続き61万株相当のライツを保有しているが、おそらく追加でライツを行使すると思われる
- 61万株のライツを市場売却すると相応のマーケット・インパクトが発生するため
- この点は今後の大量保有報告で確認が必要
- 野村AMは6月末時点で125万株保有しているが、当社の対応は大量報告報告が提出されていないため不明
- 6月中に保有株の一部(52万株と推察される)を売却しているため、保有しているライツについて大部分は行使すると予想(日興AMと同じような投資行動になると思われる)
ライツの売買動向:ライツ・普通株の合算累計出来高は1,669万株
- 7/21時点での累計出来高は1,669万株(1,860万株の89%)
- 3週間で9割程度の潜在的な売却株式数を消化されたと試算される
- しかし、経営陣が保有するライツ1,000万株相当のうち、何株が既に市場売却されていたのか?が重要であり、この点は来週以降の大量保有報告書での確認が必要
- 売却が進んでいない場合は、今後の売り圧力=需給悪化要因となるため
7/18-19にかけてライツの投機的な買いで株価が急反発?
- 7/18-19にかけて、出来高が急増し、株価が大きく反発した
- 需給悪化要因が峠を越したことを示唆される一方で、投機的な売買があった可能性もある
- ライツは日々行使が進み、流通ライツ数は減少しているため、大量の買いが入ると値段が動きやすい
- 仕掛け的な買いでライツが上昇すると、裁定が働き普通株も上昇する構図
- 従来、普通株:ライツの出来高は7:3で推移していたが、該当2日間は5:5に変化
- ライツの方が割高になる局面もあった。これはライツが先行して買われたことが要因と考えられる
- 今後も(行使が進み)流通ライツ数が減少していくため、少ない出来高でライツの価格が変化しやすく、普通株の価格動向にも影響を与えやすい点には注意が必要
- 元々ライツの変動率は普通株に比べ大きいため、投機的な売買を誘発しやすい構図
- BNPパリバによる空売りの残高が公表されているが、7/19時点の空売り残高は約38万株
- 該当2日間は株価が急騰しているにも関わらず、空売残高に特段変化がなかった
- ライツの買い持ちポジションでヘッジしていると考えられるため、これが起因した踏み上げ相場の可能性は低いと思料