IPO,PO関係
AB&Company (9251):売出しと自己株取得の同時執行
案件概要(売出し)
- 売出株式数:5,207,300株(オーバーアロットメントによる売出しを含む)
- 対発行済株式数:34.5%、対出来高:75日相当
- 売出人:Sunrise Capitalグループ(保有株の全量を売出し)
- 条件決定日(最短):10/11(水)、受渡期日(最短):10/18(水)
- ディスカウント率(仮条件):4.0-6.0%
案件概要(自己株取得)
- 自己株取得株式数(上限):100万株(発行済株式数の6.6%)、取得金額(上限):10億円
- 取得期間:受渡期日の翌日(最短で10/19)から2024/2/29まで
条件決定(10/11)
- 売出価格:1,109円(ディスカウント率4.07%)
- 公表日から条件決定日まで株価は7.9%下落
- 公表日から条件決定日までの累計出来高は96.3万株。貸借銘柄ではないため、売出株式数対比での出来高は限定的。520万株の株式が実際に流通する10/18の株価には留意が必要
- なお、当社は10月末が決算期末だ。期末には優待が付与されている。100株購入(11万円相当)で8,000円相当のシャンプー等の自社商品の優待券をゲットできるようだ。株主数は13,000名いることから相応に人気があるようだ。一定の需給緩和要因となるかもしれない
ファンドによる全量エグジット
- Sunrise capitalは、2018年3月に当社に出資。投資期間5年半での全量エグジットとなる予定
- 発行会社としては、2021年11月にIPOしており、約2年ぶりのオファリングとなる
- IPO価格は1,490円。IPO直後には1,609円をつけたものの、2022年初のグロース株売りの影響を受けて、2022年6月には675円まで下落
- その後、業績の拡大とともに株価は底堅く推移しているが、足元の株価はIPO価格より低い。ファンドとしてエグジットを優先したということだろう
- 当ファンドは、ライフドリンクカンパニー(2585)への投資実績もあり、今年の6月には売出しにより保有株を売却している
自己株式取得により受給を緩和
- 今回の売出は発行済の34%相当と非常に大きい。四季報ベースでの当社の浮動株は15%。今回の売出しにより浮動株が3倍になるため、短期的には需給への影響が大きくなりそうだ(1日平均出来高の75日分に相当する売出株数も通常の売出しに比べ大きい)
- 需給緩和策として、売出しの受渡日後に100万株(売出株数の2割相当)の自己株式の市場買付を実施する予定
- 直近の事例では、NSDが同様のスキームで売出(➕自己株取得)を実施している。NSDの株価が条件決定日にかけて大きく下落したものん、受渡日以降は堅調に推移している
- 売出しにより、株価が大きく下落した場合には、リバウンド狙いでエントリーする妙味があるかもしれない
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