IPO,PO関係
帝国ホテル(9708):流通株比率25%達成に向けて売出し(PO)を実施
- 昨日公表された東宝アニメーションの売出しと同様に、当社の浮動株は極めて少ない。事業法人と金融機関で発行済株式数の91%を保有。残りは、個人が6%、外国人が3%保有している。浮動株が少ないなかで発行済株式の9%が新たに流通株となるため、相応の需給インパクトが発生する可能性がある
2/26に条件決定
- 売出価格:1,007円(ディスカウント率:3.5%)
- 引受価額:949.58円(引受手数料率:5.5%)
- 公表から条件決定日まで株価は0.2%下落(同期間TOPIXは3.2%上昇)
売出しを実施する背景:3ヵ年計画で流通株比率を9→25%にする方針
- 当社の流通株比率は2023年3月末時点で9%となっており、東証スタンダード基準の25%を充足していなかった
- かかる状況下、当社は2024年3月末までに当該比率を15%に、25年3月末までに20%、26年3月末までに25%を達成する計画を開示していた
- 当該計画に基づき、以下の3ステップで基準クリアを目指すものと思われる
Step1:株式分割➕立会外分売の実施により最低限の流動性を作る(実施済)
- 昨年10月に当社は株式の分割(1:2)と同時に立会外分売120万株を実施
- 立会外分売で120万株(発行済の1%)の流通株を作り出した
- また、同じタイミングで株主優待を新設した(優待の権利は3月末)
- これにより今回の売出に向けて最低限の流動性を作りにつつ、受け皿となる個人に対し株主優待のと推察される
Step2:売出しの実施(今回の施策)
- 今回の売出しは発行済株式数の9%に相当するため、単純計算すると売出後の流通株比率は、Step1の分売と合わせて19%になる見込みだ
Step3:流通株比率を19%から25%超に(26年3月末まで)
- 流通株比率を25%超にするためには以下の2つの手法が考えられる
- 大株主から6%程度の株式を追加で放出していただく
- 発行済の10%程度の公募増資を実施する
- 少なくともロックアップ180日が付与されていることから、現時点でStep3のリスクはそれほど考慮する必要はないだろう
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