今回の四季報で新たにMYポートフォリオに組み入れたニチリンを紹介させていただきます
ニチリンは、独立系自動車ホースの大手、東証スタンダード上場の自動車部品銘柄。今後EV向け事業に注力してくことで業容の拡大が期待できるのかどうかがポイントになってきます
本記事執筆時点において、ホルダーであるため、多分にポジショントークが含まれている点を考慮の上ご覧ください
なお、売買を推奨するものではありません
なぜニチリンが気になったのか?
- 利益率が意外と高い
- 筆者のイメージだが、自動車部品メーカーは利益率5%以下の会社が多い
- 当社の前期経常利益率は13%。まずこの数字に驚いた
- バリュエーションが割安、財務指標も良好
- 今期予想PERx8.05、実績PBR x0.82、予想配当利回り3.82%(7月12日終値基準)
- 前期ROE10.5%、前期自己資本比率63.7%、前期配当性向27.7
- 今期業績も順調に進捗している
- 2023年第1四半期決算における経常利益進捗率は29.4%と順調
- 今期の前提為替レートは1ドル125円と保守的に設定
- 現状の為替動向に鑑みると業績には追い風
- 自動車業界全般が半導体不足の最悪機を脱して回復基調にある点もポジティブ
- 2025年を最終年度とした中計の見直しを示唆している
- 2025年の経営目標 売上660億円以上、営業利益75億円、営業利益率11.4%以上
- 営業利益は既に前期に達成
- 前倒し達成の大きな要因は為替レート(1ドル113円で計画を立てていた)
ニチリンに期待したいこと(EV戦略と株主還元策の積極開示)
- IRコンテンツをもっと充実してもらいたい
- 2Q決算時も説明会と決算説明資料を準備してほしい
- 中期経営計画の内容をもっと具体的に発信してほしい
- 特にEV向けのビジネスの進捗状況や足元の成果を能動的に開示してほしい
- PBR1倍割れの回避に向けたメッセージを打ち出してほしい
- 当社社長は、ホームページのメッセージで「更なる資本効率の向上を目指す」と言及している
- また、当社は、連結配当性向35%を株主還元目標値としている。加えて、2023-2025年に総額10億円程度の自己株式取得を実施する予定である旨を開示している(有価証券報告書)
- そのような状況下、当社は2023年2月に7億円強の自己株式をToSTNeT3で取得した。これが10億円に含まれるとしたら、今後の株主還元方針としては迫力不足な印象
- 株主還元策と最適資本構成の考え方についても、PBR1倍超えを念頭に置いた効果的なメッセージを発信してもらいたい
当社の株価推移(2004年以降月足)(出所:Trading View)
- 今期の経常利益予想は84億円。これは上場来高値をつけた2017年11月頃の利益とほぼ同じ水準である
- 2017年、2018年の経常利益は其々86億円、85億円
- 為替動向に鑑みると今期は利益の上方修正の可能性もあり、最高益を計上する可能性もある
- 好調な業績に加えて、効果的なIRと株主還元策を明確に打ち出せば、上場来高値更新も十分期待できると思料