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ユー・エス・エス(USS)(4732):取引金融機関が政策保有株を売出しを通じて売却

株式会社DMM.com証券

  • 売出人より株式の売却意向が確認されたため、株主層の多様化・拡大を目的として売出しを実施
  • 売出しと同時に自己株式の取得を決議。上限100億円は、売出規模の4割程度に該当するため需給面ではポジティブに作用しそうだ
  • 近年、政策保有株の売却というテーマで売出しが選択される事例が急増している
  • その場合、売出人は複数となる事例が多いが、本件はMUBK(信託口)の1社のみとなっている。
    • 売却意向株主が1名、且つ売却株数が1,680万株で限定的のため、ブロック・トレードという手法も選択できたはずだ
    • ブロックトレードの場合、発行会社は関与せず、事務負担も発生しない(引受審査手続き、目論見書の作成負担などが発生しない)
    • 敢えて売出しを選択したのは、発行会社として売出しを通じたIR効果、個人株主へのアプローチを優先したと推察される
  • 主幹事(トップレフト)は三菱UFJモルガン・スタンレーとなっている。発行会社の主幹事は、SMBC日興証券。2023年には日本版ASRをSMBC日興証券主幹事で実施している。売出人がMUFGであることから、主幹事選定に配慮があったと思われる

10/16に条件決定

  • 売出価格:1,250.5円(ディスカウント率:3%)
  • 引受価額:1,198.92円(引受手数料率:4%)
  • 公表から条件決定まで株価は7.2%下落(TOPIXは1.8%下落)
  • 海外販売比率:32.6%

株主還元に積極的:上場以来25期連続増配中

  • 当社の株主還元政策に積極的だ。連結配当性向55%以上を維持、総還元性向80%を定量目標値に掲げている
  • 当社は、上場以来25期連続で増配中であり、10/7時点における今期予想配当利回りは約3%。配当利回り妙味もある高収益・安定成長銘柄として資本市場からも一定の評価を得ている
    • 上述の通り、今期も上限100億円の自己株式を取得する予定(今期予想当期利益360億円の28%に相当)
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2023年12月に上場来高値をつけるが、2024年央にかけて軟調に推移

  • 株価は、2023年12月に1,497円(分割調整ベース)で上場来高値をつけたが、2024年央にかけて軟調に推移。その間、大株主の機関投資家が持分を売却していたことも少なからず影響していたと思われる
    • 2024年5月に、ブラックロックが所有割合を6.37%→3.87%に引き下げ
    • 2023年から2024年5月にかけて、インベスコAMが所有割合を8.04%→4.76%に引き下げ

成熟した国内オートオークション市場で今後も成長が可能なのか?

  • 当社は、国内オートオークションの最大手(約4割トップシェア)
  • 市場全体は伸び悩む中、シェアと収益性向上により企業価値の最大化を図ってきた(過去25年間は驚異的な成長を遂げてきた)
    • 今期の予想売上高営業利益率は51%(前期の50.2%から更に上昇する計画)
  • 過去25年間、高成長性を遂げてきた当社だが、成熟市場でどこまで高成長を維持できるのか?が投資判断のポイント(投資家の懸念点)になりそうだ
    • 発行会社としては、中期目標としてシェアを更に50%に引き上げることで成長を維持する方針。加えて、新規事業としてリサイクル事業を育成していく方針だ
    • 10月7日の終値基準での今期予想PERはx18.5。ピーク時の2023年12月時点のPERはx22から水準を切り下げているため、ある程度上記の懸念点は株価に織り込まれたと思われるが、PERx18が割安かどうか?は投資家によって評価が分かれそうだ
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