IPO,PO関係
ジャフコ グループ(8595):ユーロ円CB150億円を発行
案件概要
- 発行額:150億円、年限:5年
- 転換価額は2,132円(9/12終値1903.5円に対して12%のプレミアム)
- 最近のCBは3割を超える転換プレミアムが付されることが多いが、本件は12%と低めだ
- 理論上、配当利回りが高いと転換プレミアムは低くなる(当社の配当利回りは3.5%)
- 満期直前までは転換制限条項が付与されているため、余程株価が上昇(転換価格の1.3倍以上)しない限りは、期中の希薄化は想定する必要がない設計
- また、満期時には、現金決済条項も付されている。発行会社としては、希薄化を抑制しつつできるだけ長期間ゼロコストの調達を実現したいという考えの基、CBを選択したと推察される
- 今回のCB発行に伴う潜在株式数は、703万株(発行済株式数(自己株除き)の12.9%相当)
- なお、CB投資家に販売するにあたり、一旦大和証券がセットアップしたSpica Limited(SL)がCBの一部を買取り、CBに内在する転換権部分と債券部分に分離して投資家に販売することを想定している
- そのため、別途『Spica LimitedによるCB買付けのお知らせ」というリリースを出している。同様の取引は、フェローテックのCBでも実施されている。詳しくは、フェローテック案件の記事を参考いただきたい
- 資金使途は、ファンドへの出資を通じたベンチャー投資
今年の1月に2,500円(400億円相当)で旧村上ファンドから自己株取得していた。転換価額2,132円、150億円のCB発行は賛否両論が巻き起こりそうだ
- ジャフコは昨年より、アクティビストである旧村上ファンドから色々な要求を受けていた。そこで、野村総研の株式を売却の上、今年の1月に1,680万株の自己株式を取得を実施した
- 自己株式の取得価格は2,500円(取得総額は420億円)。旧村上ファンドは、持分の大部分を高値で売り抜けることに成功したが、その後当社の株価は低迷していた
- 400億円で自己株取得して1年も経たないうちに150億円の CBを発行する。しかも転換価額は2,500円より下の水準だ。資本政策の一貫性の観点から賛否両論が巻き起こりそうな案件だ
- 当社の主幹事は野村證券だが、今回のCBの主幹事(ブックランナー)は大和証券
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