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コーア商事ホールディングス(9273):公募増資(PO)により大型設備投資資金を調達

株式会社DMM.com証券

6/5に条件決定

  • 募集価格:685円(ディスカウント率:3%)
  • 払込価額:653.18円(引受手数料率:4.5%)
  • 公表から条件決定まで株価は20.1%下落(TOPIXは0.7%下落)

公募増資を実施する背景

4/25に長期計画を公表していた:65億円の設備投資は当社の事業規模に鑑みると大型投資といえる
  • 当社は、PO公表の1ヶ月前に長期計画を公表していた
    • 2030年6月期の売上高:400億円、営業利益80億円に設定(今後6年間で売上・利益を倍増しようとする目標)
    • (ご参考)2024年6月期の売上高(予想):229億円、営業利益(予想):43.8億円
  • 医薬品製造販売事業を成長戦略の柱と位置づけ、65億円の設備投資(蔵王第二工場建設)を実施する方針だ
    • 設備投資自体の決定・公表は昨年末に実施済
  • 当社の直近(2024年3月末)の総資産は300億円、有形固定資産は69億円、自己資本比率は75%
  • 当社の事業規模に鑑みると65億円の設備投資を社運を賭けた大型投資であるため、一定の資本増強が必要と判断したと考えられる
Screenshot
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一般的な公募増資に比べ希薄化率は小さいが、出来高対比では相応の規模のPO

  • 当社の大株主は、創業家株主をはじめとした個人株主が上位を占めている(四季報が定義する少数特定者株主所有比率は78%)
  • したがって、東証プライムの流通株比率の基準はクリアしているものの、実態としての浮動株は極めて少なく、流動性も低い
  • 公募増資における平均的な希薄化率は1割程度だが、本件は6%。相対的には希薄化のインパクトは小さい増資といえる
  • 一方、当社株式の出来高・浮動株は少ないため、受渡日にかけて相応の株価インパクトは発生する恐れがある
  • つまり、希薄化よりも需給悪化による株価インパクトを考慮のうえ、必要最低限の公募株数に設定したと推察される

創立10周年記念優待を実施することで、受渡日直後の需給悪化を緩和する狙い?

  • 当社は創立10周年の記念優待を実施する。具体的には500株以上保有する株主にQUOカード2,000円分を贈呈する
  • 本POの受渡日は6/12を予定している。権利付まで2週間程度継続保有した場合、通常の株主優待(200株以上でQUOカード1,000円分)と合わせて3000円分のQUOカードを受けてとれる
  • 前述の通り、今回のPOは出来高の70日分とやや大きいが、優待権利付に受渡日を設定することで、優待目的の投資家の買いが期待できる
  • これにより需給悪化の影響を極小化する狙いが垣間見える
  • 出来高の少ない企業は優待権利取りのタイミングでPOを実施するケースは過去にもある:安楽亭の公募増資

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