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IPO,PO関係
京都フィナンシャルグループ(5844)国内売出(PO):金融機関が政策保有株式を売却
- 政策保有株式の売却に消極的と言われていた京都FGが売出しを決議した
- 売出人には、金融機関が勢揃い。いずれもロックアップ対象外であることから、本売出しを通じて全量売却すると予想される
- 損害保険会社は、政策保有株の全量売却を宣言しているため、京都FGの売出しは想定の範囲内だった?
- 今後も複数の損害保険会社が存在する銘柄については、売出し等のコーポレートアクションが起きる可能性を想定しておく必要がある(詳細は後述)
- 当行は、元々100億円相当の自己株式の取得枠を設定していた。本件PO後に自社株買いを実施すると予想され、一定の需給緩和効果が期待される
- 地銀のPOでは2023年に実施されたトモニHDが挙がられる。トモニは低PBRで公募増資を敢行したため、株価は大きく下落した。本件は売出しであるため希薄化は発生しない。単純比較はできないだろう
- 京都FGは、2029年3月末までに1,000億円以上の政策保有株を売却すると宣言している。今回の売出人をはじめとした金融機関との持ち合い解消を実施する場合、どの程度の売却が可能だろうか?
- 24年3月末時点での有報で確認できる保有状況(単位:百万円)
- 東京海上(126億円)、SOMPOHD(17億円)、いよぎんHD(16億円)、みずほFG(12億円)、三井住友トラスト(12億円)、MS&AD(12億円)、大和証券G(11億円)、三井住友FG(8億円)、コンコルディア(8億円)
- 全て売却しても200億円程度だ。1,000億円規模の株式を売却する場合は事業会社の株式を売却する必要もある。具体的にどの銘柄を売却するのか?京都の上場会社からは大きな注目を集めそうだ
- なお、京都FGが保有する上位銘柄については、村田製作所の海外売出しの記事を参照(村田製作所の売出しでは、京都銀行は売出人に参画していない)
2/18に条件決定
- 売出価格:2,086円(ディスカウント率:3%)
- 引受価額:1,999.96円(引受手数料率:4%)
- 公表から条件決定まで株価は0.2%下落(TOPIXは1.4%上昇)
当行の政策保有株の縮減目標:2029年3月末までに1,000億円を売却
- 以下は2024年11月の2Q決算発表時の資料
- 従前の政策保有株の縮減目標は、3年間で160億円(簿価ベース)。これまでに簿価ベースで127億円(時価で400億円相当)の売却を進めてきていた
- 1兆円超の政策保有株を保有している当行にとって400億円程度の売却は誤差といえよう。本格的に政策保有株を縮減する意思は感じれれない
- そんな当行だが、今後4年間で1,000億円(時価ベース)を売却する方針を新たに掲げた。それでも政策保有株の1割弱を削減する程度の規模感だ
- つまり、株式投資家の視点でみると、他の地銀と異なり、京都エリアの大口投資家がついでに地銀ビジネスをやっているという見方で当行を評価する必要があるだろう
Screenshot
主要な地銀銘柄は全てPBR1倍割れ(京都銘柄を多数保有する京都FGもPBRx0.55)
- 売出決議日時点における地銀の時価総額ランキングは以下の通り。いずれの銘柄もPBRx1割れで、割安感はあるものの、配当利回りは普通の水準だ
- 京都銀行の場合、前述の通り任天堂をはじめとした京都の優良企業の株式を多く保有していることが、株価の下支え要因になりそうだ
- 政策保有株の時価が1兆円を超えているにも関わらず時価総額は6,500億円で取引されている
- 理論上は、地銀ビジネスを辞めて、再策保有株を全て売却したほうがリターンは大きくなる
- ただ、現実的には地域経済のために地銀ビジネスは継続することになるだろうし、京都銘柄を簡単には売却できない。その結果として現在の時価総額での評価になっているといえよう
- 大株主にはシルチェスターが存在する(直近の大量報告では7.63%を保有)。大株主のシルチェスターが政策保有株式について何らかの株主提案を実施するのかどうか。注目していく必要がある
複数の損害保険会社が株主として存在する銘柄は将来的にPOの可能性がある?
- ご存知の通り、ビッグモーターの問題を受けて、損保は金融庁の行政処分を受け、政策保有株を全て売却することになった
- これを受けて、大型の売出し案件が相次いでいる点は注目しておく必要があるだろう
- 複数の損保が保有している大口先は以下の通りだ。京都FGのように複数社が株主に存在する場合は、売出しになりやすい(一応留意しておく必要があるだろう)
- 以下は損保3グループの2024年3月期の有価証券報告書より資産した各社の政策保有株の保有状況
-IPO,PO関係
-PO, 京都, 京都フィナンシャル, 京都銀行, 売出