期間が空いてしまいましたが、四季報夏号を熟読する中で気になった松本油脂製薬(4365)を紹介させていただきます
高収益企業で割安な株価である一方、IRコンテンツは圧倒的に不足していて改善の余地があるように思えます
東証のPBR1倍割れへの改善対応要請を受けて、今後当社のスタンスが変わってくれば、非常に面白いと思っております。その理由について纏めております
なお、売買の推奨ではありませんのでご留意ください
当社の特徴:高ROEにも関わらずPBRは0.6倍程度と割安
- 大正15年創業、2004年にジャスダック上場。現状は東証スタンダード銘柄
- 界面活性剤・高分子関連製品の総合メーカーとして多様な業界に展開している企業
- 主な財務及び株価指標。高収益・高ROE銘柄だが株価指標は割安と言える
- 予想PER x7.18、実績PBRx0.65 、予想配当利回り2.4%(7/11時点)
- 経常利益率(前期)23.9%、ROE(前期)11.3%、配当性向(前期)15.5
- 上場来の株価チャートは以下の通り(出所:Trading View)
- 直近10年はTOPIXをアウトパフォーム
株価が割安である4つの理由
株価が割安になっている原因について考察
発行会社の今後のスタンス次第であるため、現時点では買いのエントリーは難しいが、東証のPBR・資本効率・資本市場との対話促進要請を受けて、当社のスタンスが変わるようであれば、株価が水準訂正する余地・期待は大きい
- 流動性が低く、投資単位が大きい
- 1日の出来高が1,000株に満たない日が多く、流動性は極めて低い
- 投資単位が146万円と高い。所謂値嵩株。その影響もあり、23年3月末の株主数は547名と限定的
- 株主還元余力が大きい
- 自己資本比率は8割を超え、多額の現金を保有
- 23年3月末現在の現預金及び流動資産に計上されている有価証券の合計は458億円
- 23年3月末現在の総資産は791億円。実にBSの半分以上が手元流動性資金になっている
- 自己資本比率は8割を超え、多額の現金を保有
- IR情報が少ない
- 当社のホームページで確認できるIR資料は、決算短信のみ
- 本決算発表時にも説明会や補足資料を作成していない
- 有価証券報告書をクリックすると金融庁のEDINET URLサイトに移動する(有報を当社ホームページでは掲載していない)
- 買収防衛策を採用している
- 2000年代に流行した買収防衛策であるが、投資家から不評であり現在採用している企業は少ない
- 当社は、2008年に防衛策を採用して以降、継続したままである
- 買収防衛策そのものは、基本的に機関投資家から不評