フェローテックですがCB発行の公表時に、別途「Spica LimitedによるCB買付に関するお知らせ」をリリースしていますので、その内容について解説します
Spica Limitedは何をするのか?
当社は主幹事である大和証券がセットアップしたSPCと想定される
以下取引を行うことでCBヘッジファンドに対してCBの投資機会を提供する役割を担う
これによりCBヘッジファンドは、CBの債券部分を保有せず、オプション部分のみに投資することが可能
- 1️⃣ ヘッジファンドが主幹事証券からCBを購入
- 2️⃣ヘッジファンドはCBをSpica Limited(SL)に売却
- 3️⃣SLはCBを裏付けとしたアセットバックローン(ABL)を原資にCBを購入
- 一般的にABLはメインバンクをはじめとした国内金融機関が提供する
- 4️⃣SLはCBを買い取れるオプションをヘッジファンドに売却する
- ヘッジファンドはオプション料をSLに支払い(オプション料がABLの利払い原資になる)
- ヘッジファンドは、クレジットリスクを排除してCBに内包するオプションのみを保有可能に
通常、新発CBが発行されると、証券会社はSPCを介して上記取引をヘッジファンドに提供する
つまり、一般的に行われている取引であり、フェローテックのCB特有の取引ではない
なぜこのような開示をしたのか?
TOBにかかるインサイダー取引規制が関連している
総議決権の5%超の買い集め行為を実施する場合、インサイダー情報と位置付けられるため、TDNeT等で開示しないと買付けることはできない
今回SLは、CBをヘッジファンドから買付けることになるが、当該CBにかかる総議決権が5%超となる可能性があったために開示が必要であった
- 一般的に新発CBが発行されると発行額の50-70%程度はヘッジファンドに販売される
- 今回のCBは、潜在株比率が13%程度と比較的大型の起債である
- 半分をヘッジファンドに販売すると、その比率が7%(=5%超)となる
- つまり、上記TOBインサイダー規制に抵触するため予め開示が必要であった
詳細は発行日から5営業日以内にSLが大量保有報告書を提出するため、EDINETにて確認することが可能