IPO,PO関係
ヒューリック(3003)売出し(PO):損保をはじめとした上位株主が政策保有株式を売却
- 一部株主からの売却意向を受けて売出しを実施(同様のパターンによるPOラッシュが続く)
- 損保2社は全量売却、東京建物・大成建設は半分程度を売却する
- 東京建物は、アクティビストの英パリサー・キャピタルがヒューリック株式の売却を要求していたとの報道あり
- 大成建設もシルチェスターが大株主となっている(建設セクターはアクティビストより政策保有株売却圧力をかけられている)
- ヒューリックは、2023年12月末時点において損保ジャパン、東京海上をそれぞれ106億円、86億円所有。今後、両銘柄を売却する可能性がある
- ヒューリックは投資を活発化しているため、自社株買いではなく、成長投資・内部留保に回る可能性が高い
12/10に条件決定
- 売出価格:1,337.5円(ディスカウント率:3%)
- 引受価額:1,282.34円(引受手数料率:4%)
- 海外販売比率:17%
- 公表から条件決定まで株価は3.1%下落(TOPIXは2.9%上昇)
金利高を受けて不動産株はTOPIXをアンダーパフォーム
- 2024年の不動産株は金利高の逆風を受けて、TOPIXをアンダーパフォームしている
- (アクティビストの特殊要因のある)東京建物を除き主要な不動産銘柄はTOPIXをアンダーパフォーム
- 特に、ヒューリックの株価は同業他社比でも劣後している状況
- 財閥系デベに比べ、不動産売買の比率が高い
- 低金利環境下、不動産売買市場が活況の時はよかったが、金利上昇局面では投資家も慎重になっているためだろう
- 目先は2024年12月19日の日銀金融政策決定会合で追加利上げがあるのか?が株価に大きな影響を与えそうだ
- 受渡日12/17の2日後に日銀イベントが。。
- オファリング期間中に憶測報道が出てくる可能性があるので留意が必要
業績は堅調。2025年2月に新中計公表?
- 現行中計は2025年を最終年度としているが、今2024年12月期に経常利益1,500億円達成した場合には、新たな新中計を打ち出すことが期待できる
- 業績よりも金融市場をはじめとした外部環境の影響で株価は軟調な展開が続いているが、2025年2月の本決算発表時に新たな中計公表を契機にトレンドが変化することを期待したい
株主優待目的の安定株主が多い?
- 当社の株主数は18万人を超える
- 同業の株主数:三井不(5万人)、地所(7万人)、住友不(1万人)、東急不(11万人)、野村不(2万人)、東京建物(1万人)
- 現状株主優待を実施しているのは、東急不とヒューリック。2社の株主数が突出しているのは優待目的の投資家が多いためだろう
- 今年から三井不が新たに優待を開始するので株主数が増えそうだ
- 株主優待の比較(詳細は各社の優待URLを参照)
- ヒューリック:300株(約43万円)で3,000円相当のカタログギフト(継続保有の場合は6,000円)
- 東急不:当社施設の優待価格利用券。加えて500株(約49万円)を3年保有で2000円相当のポイント付与(株数・保有期間が増えればポイントも増加)
- 三井不:100株(13万円)毎に1,000円相当の買い物ポイント。1,200株までは100株毎に1,000ポイント増。継続保有でポイント追加特典あり
- 単純比較はできないが、ヒューリックは300株のみが対象で、MAX6000円相当の優待を享受可能
- 一方、東急不/三井不は100万円以上の投資をすれば6,000円以上の優待が得られる
- 奇遇にも筆者は両銘柄とも少量保有している(東急不の宿泊優待券は両親にプレゼントしたりしている)
- ヒューリックは12月決算のため、12月末基準の株主を対象に優待を実施する。つまり、売出直後に優待の権利が得られる
- 個人的な話だが、筆者はレーサムで多額の含み損を抱えていた。そこにヒューリックがレーサム株式を高値TOBしてくれた恩義がある
- 従って、押し目があれば300株優待目的でエントリーしようと思っている(リーマンショック級の金融危機が起きない限り継続保有で毎年6,000円のカタログギフト生活をエンジョイしたいと思う)
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-PO, ヒューリック, 売出, 株価